MENU

MENU

チェンソーの歴史を解説~起源や進化の過程について~

チェンソーの歴史を解説~起源や進化の過程について~

現代の林業には欠かせない道具の1つであるチェンソー。
現在ではある程度の規格や形が統一されていますが、現在のスタイルや機能に至るまでには、実は様々な変遷を経ています。
ここでは、チェンソーの歴史と進化の過程を紐解いて見ていきましょう。

チェンソーとは

私たちが普段“チェンソー”と呼んでいる機械は、詳しく言えば「ガソリンエンジンや電気モーターを動力源とし、刃の付いたチェーンを回転させることで木材などを切断する機械」と説明することができます。
エンジンまたはモーターが内蔵された本体と、ソーチェーン(刃)やガイドバー(ソーチェンを装着するプレート)などのカッティングアタッチメントにより構成されています。

チェンソーの歴史

それではチェンソーの歴史を見ていきましょう。

チェンソーの起源?オステオトームとは

チェンソーの起源には諸説あるようですが、その1つは、意外にも医療用器具に辿り着きます。
初めてのチェンソーと言われているものの1つが、1830年にドイツの整形外科医であるベルナルト・ハイネによって開発されたオステオトームです。
ギリシャ語でオステオ(骨)とトーム(切る)を組み合わせた造語で、文字通り、医療用に骨を切るための道具として使われました。
現代のチェンソーに構造は似ていますが、もっと小ぶりで、刃の回転は手動によるものでした。

実用化の始まり

林業用のチェンソーの実用化は、ドイツにて1927年に電動チェンソーの特許が取得され、さらに1929年にエンジン式チェンソーを大量生産する企業が設立されたところから始まっています。

主に木材の玉切り用として使われていた当時のチェンソーは重さが40kg以上もあり、移動用の車輪が必要なほどで、2人がかりで使用しなければなりませんでした。

1950年になると、重さ16kgほどの1人用エンジン式チェンソーが世界で初めて誕生します。これにより、玉切りだけではなく、立木の伐採用にも使えるようになりました。

1930年代~60年代にかけては、現在のチェンソーにも採用されている様々な技術が開発された時代でした。
この頃開発された技術の中には、自動チェーンオイル潤滑(ソーチェーンとガイドバーに自動でチェーンオイルを供給する仕組み)、遠心クラッチ(原動機の動力をチェーン部分に伝達する機構)、防振ハンドル(手に伝わる振動を低減する装置)などがあります。

大量生産の始まり

1970年代になると、ヨーロッパのメーカーを中心にチェンソーが盛んに作られるようになりました。
より安全で手軽に使用できるチェンソーの開発が進み、チェーンブレーキなどの安全装置が開発されたのもこのころです。
また、さらなる軽量化、低振動化、低騒音化などの技術開発に各社がしのぎを削ります。
こうして林業用のプロ仕様だけではなく、カジュアルユーザー向けの商品も登場するようになりました。

チェンソーの進化

その後、ガソリンエンジンだけでなく、電気モーターを動力としたバッテリー式やコード式の開発も進み、よりコンパクト・軽量・安全・低公害であることを目指し、新たなモデルが続々と登場します。
また、ガイドバーやソーチェーンといったアタッチメントも、用途や動力源の進化に応じて様々なタイプから選べるよう進化が続きました。

ソーチェーンの歴史

続いて、チェンソーには欠かせないソーチェーンの歴史を見ていきましょう。

カミキリムシの幼虫

現在広く使われているソーチェーンの基本設計は、実はカミキリムシの幼虫が、固い木材を嚙み砕きながら切り株の中に潜り込んでいく様子から着想を得たものです。
時は1946年、アメリカはオレゴン州の木材伐採者で発明家でもあるジョセフ・バーフォード・ コックスによって、カミキリムシの幼虫をヒントにした新型ソーチェーンが生まれました。このオリジナル・ソーチェーンの基本的設計は、現在でも広く採用されており、彼の発明が、その後のソーチェーンメーカー・オレゴンの前身となったのです。

新型ガードリンク

1959年にオレゴンから、ある画期的なガードリンクの特許が出願されます。
ガードリンクは、今日ではキックバックを抑制し安全を確保するための装備として当たり前になっていますが、この当時は小枝を伐るときに発生するフッキングやグラビング(小枝に突き刺さる、あるいは食い込む現象)を抑止することが主な目的でした。
ところが、このガードリンクを装着したソーチェーンを使うと、チェンソー事故が減るという、予期せぬ利点が発見されたのです。

キックバックの抑制

ソーチェーン進化の歴史は、安全性追求の歴史でもあります。
そしてチェンソーの事故で多いのがキックバックによるものです。
オレゴンは1960年代後半から、チェンソーメーカーに先駆け、キックバックを抑制する研究を開始しました。
やがて、1972年に完成した第三世代のキックバック・テスト機によって、キックバック抑制型の新製品開発が可能になりました。
その中には1974年~76年に発表されたロープロファイル・チェーン(上背が低いチェーン)のシリーズや、1977年に発表されたオレゴンガードチップバーがあります。

1970年代後半には、チェンソー業界の各メーカーとアメリカ合衆国消費者製品安全委員会(U.S. Consumer Product Safety Commission)によってキックバック標準(規格)の策定に向けた協議が始まりました。そして、オレゴンの技術者もこの作業における中心的な役割を果たしたのです。
その結果、1985年に、ANSI B175.1規格として知られる、キックバックに関する諸要件を盛り込んだチェンソーに関する自主的安全基準が策定されました。

その後もオレゴンは革新と成長を続け、現在、世界100カ国以上で選ばれるソーチェーンブランドとなっています。

様々な分野で、安全・手軽に使用できるよう、進化し続けてきたチェンソー。
それに合わせて、オレゴンのソーチェーンやガイドバーは多くのメーカーのチェンソーで使用することができます。

関連記事はこちら

チェンソーのプロ用はDIY用とどう違う? 動力源や選び方について解説

チェンソーのプロ用はDIY用とどう違う? 動力源や選び方について解説

チェンソーを買おうと調べてみると、機種も価格もさまざまなタイプが見つかり、どれを選んだら良いか迷うことがあるのではないでしょうか。実はチェンソーには大きく分ける...

詳細はこちら >

木を切る道具を用途別にご紹介! DIY初心者必見

木を切る道具を用途別にご紹介! DIY初心者必見

DIYに欠かせない素材といえば、やはり木材です。ホームセンターなどでは、様々な形・サイズの木材が入手できますが、自分で自由に木材をカットできるようになると、DI...

詳細はこちら >

チェンソーの防護ズボン義務化で変わったことは? 防護ズボンの選び方も紹介

チェンソーの防護ズボン義務化で変わったことは? 防護ズボンの選び方も紹介

DIYから本格的な林業まで、様々な作業のために欠かせない道具のひとつであるチェンソー。大変便利で身近な道具ですが、扱いを誤ると大きなケガにもつながりかねません。...

詳細はこちら >

林業に向いてる人はどんな人? 林業のやりがいについて解説

林業に向いてる人はどんな人? 林業のやりがいについて解説

近年、改めて国産の木材に注目が高まりつつあります。同時に、国産材を生産する林業という仕事に魅力を感じる人も少なくありません。しかし、林業という仕事は実態がわかり...

詳細はこちら >

小型チェンソーの用途や特徴とソーチェーンの選び方について

小型チェンソーの用途や特徴とソーチェーンの選び方について

チェンソーには様々なサイズが展開されていますが、簡易な作業のために使いたい方には、小型チェンソーが人気です。また、小型チェンソーは、初めてチェンソーを使う方や、...

詳細はこちら >

チェンソーを扱うのに資格は必要? 仕事の場合は必要です

チェンソーを扱うのに資格は必要? 仕事の場合は必要です

チェンソーは庭造りやアウトドア、DIYなどで大変役に立ち、ホームセンターでも入手できる身近な機械です。その一方、使い方を誤れば、大ケガにつながる可能性もあり、気...

詳細はこちら >

チェンソーのガイドバーの種類は何種類ある? 選び方のポイントとは?

チェンソーのガイドバーの種類は何種類ある? 選び方のポイントとは?

チェンソーにとって重要な部品である「ガイドバー」には、いくつかの種類があります。ここでは、その種類や選び方のポイントについて詳しく説明します。チェンソーのガイド...

詳細はこちら >

チェンソーの寿命の目安は? 刃を長持ちさせる方法はある?

チェンソーの寿命の目安は? 刃を長持ちさせる方法はある?

チェンソーやソーチェーンの寿命とはどれくらいなのでしょうか。できれば良い手入れをして、長く使いたいものですね。ここでは、チェンソーの寿命や、ソーチェーンを長持ち...

詳細はこちら >

新しいチェンソーは慣らし運転が必要? ソーチェーンを替えたときはどうする?

新しいチェンソーは慣らし運転が必要? ソーチェーンを替えたときはどうする?

新しいチェンソーを手に入れたり、ソーチェーンを張り替えたりすると、すぐにでも使ってみたくなるのではないでしょうか。しかし、チェンソーやソーチェーンを最も良い状態...

詳細はこちら >

ソーチェーンの種類と規格を知っておこう!

ソーチェーンの種類と規格を知っておこう!

自身の作業や熟練度に応じてチェンソーの機能を最大限に発揮するには、チェンソーに合ったソーチェーンの種類を選ぶことがとても重要です。しかし、ソーチェーンの種類や規...

詳細はこちら >

林業に適したチェンソーの上手な選び方! 刃の使い分け方は?

林業に適したチェンソーの上手な選び方! 刃の使い分け方は?

DIYやアウトドアレジャーなどの人気を背景に、今やホームセンターでも見かける存在となったチェンソー。しかし、「林業」に適したチェンソーとなると、パワーや稼働時間...

詳細はこちら >