チェンソーの刃の交換方法とは? 交換時期や替刃の選び方も解説

チェンソーの刃(ソーチェーン)を替えるタイミングは、大きく分けて2つあります。1つ目は、使用する内にチェーンに摩耗や変形が起こり、目立てなどのメンテナンスも限界がきて、新品に交換するときです。2つ目は、用途によって、チェーンを付け替えて使用する場合です。ここでは、チェーンの交換について、その交換方法や時期、替刃の選び方について説明していきます。
ソーチェーンの交換方法
チェーンの交換方法について、ステップ形式で説明します。
- 保護ゴーグルやチェンソーグローブ(最低でもメカニックグローブ)を身に着けて作業してください。新品のチェーンはカッターで木の表面をなぞるだけで切り出せる程に鋭利です。
- チェンソーのチェーンブレーキを解除する。
- チェーンの張りを緩める(張り調整の方式や調整ネジの位置はチェンソーによって変わるため、付属の取扱説明書で確認する)。
- クラッチカバーを取り外す。
- ガイドバーからチェーンを外す。バーを張り調整ネジから外して、バーごとソーチェーンを取り外しても構いません。
- 続いてバーを本体から外す。この際、取り外した部品と見える箇所の木屑を可能な限り掃除してください。
- カッターの正しい向きを確認します。バーの上側で刃先が先端に向くのが正しい方向です。
- 機種ごとの構造により手順が2つに分かれます。
①インボードクラッチ式
新しいチェーンをバーに装着し、そのままチェーンをドライブスプロケットに掛けてからバーと共に本体に装着します。
②アウトボードクラッチ式
バーだけを先に装着し、その後にチェーンをドライブスプロケット側から掛けます。
※いずれも必要に応じて張り調整の位置を取り外した時から更に緩めてください。新品のチェーンは「伸び」が出ていない状態です。 - ドライブスプロケット、バー全周にドライブリンクがしっかり掛かっているか確認する。
- クラッチカバーを戻し、ナットを手締めで仮止めする。
- バーを保持しながら張り調整機構でチェーンの張りを調整する。
- ナットを本締めする。
- 最終確認として、ソーチェーンを手で回してスムーズに回転するか、手でチェーンを引っ張った後の戻り張具合を見る。
ソーチェーンの交換や慣らし運転についてはこちらでも解説しています。
新しいチェンソーは慣らし運転が必要? ソーチェーンを替えたときはどうする?
チェンソーの刃(ソーチェーン)の交換の時期
切れなくなってきたら交換を行う
切削時の木屑の長さが短くなってきた、チェンソーに少しでも体重を掛けるようになってきた時がカッターを研ぎ直す「目立て」をするタイミングです。「切れない」と感じている時には既にかなりのダメージになっています。
目立てをすると、カッターの上刃の先端と、デプスゲージの上部との間の高さの差(デプス)が小さくなりますので、必要に応じてデプスゲージも平ヤスリで落として低くします。
こうして目立てを繰り返すとカッターが小さくなり、上刃の長さが新品時の約20%になった時が交換時期です。それ以上使用するとカッターが作業中に折れることに繋がり、大変危険です。
なお、カッターがまだ使える状態であっても、ドライブリンクやタイストラップに大きなダメージがある場合や、ソーチェーンが千切れた場合は、新品に交換することをお勧めします。
用途によってソーチェーンを交換する
ソーチェーンは、装着するチェンソーのメーカー・型式・バーの長さから、適合する品番が絞られますが、さらにその中で、伐採や玉切り、薪づくりなど、用途や作業環境によってソーチェーンを選び、使い分けることもできます。普段はオールラウンダーなマイクロチゼル、クリーンな環境ではチゼル、地面すれすれから切り倒したい時や、倒れて泥が付いた木にはパワーシャープなどです。特に竹切りや縦挽きのような特殊な用途には、専用のソーチェーンを使うことをお勧めします。
用途に適したソーチェーンを使用することで、チェンソーを長持ちさせることができるだけでなく、安全な作業にも繋がります。ソーチェーンのカタログには、用途に応じた適応表もありますので、確認しながら選ぶと良いでしょう。
替刃の選び方
ソーチェーンを選ぶためには、それまで使っていたチェーンの「チェーンタイプ」と「ドライブリンクの数」を確認し、適合したソーチェーンを選ぶ必要があります。
あらかじめ、チェンソー本体からガイドバーとソーチェーンを外してから始めましょう。
まずはドライブリンクに刻印されている数字を確認することから始めます。その後、ドライブリンクの数=コマ数と、チェーンの特徴を確認しましょう。
チェーンの特徴についてはこちらで詳しく解説しています。
林業に適したチェンソーの上手な選び方! 刃の使い分け方は?
安全にチェンソーを使うために、ソーチェーンは常に点検して最適な状態を保ち、必要に応じて交換を検討しましょう。ソーチェーンの交換の際は上記を参考にしてみてください。
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