チェンソーが切れない! チェンソーの刃が切れない原因と対策

チェンソーは使い続けるうちに、切れ味が落ちてきます。チェンソーの切れ味が良くないまま使うと、作業効率が落ちるばかりか、危険性も増しますので、改善しなければなりません。ここではチェンソーの刃が切れない原因と対策について説明します。
チェンソーが切れにくくなる原因
チェンソーは、エンジンやモーターで発生する動力をドライブスプロケットがソーチェーンに伝え、ソーチェーンはガイドバーに沿って回転することにより、刃が木に食い込み、切削する仕組みの道具です。
木を切ることによって、ソーチェーンの刃は少しずつ摩耗していきます。
もし、エンジンの調子やソーチェーンの回転速度が変わらないのに、チェンソーが切れにくくなるとしたら、それはソーチェーンの刃の摩耗が真っ先に原因として考えられます。
ソーチェーンは、大工道具でいう「かんな」の原理によって木を切削します。ソーチェーンの刃に対して、デプスゲージがかんなの台座にあたります。回転するソーチェーンが木に当たった際、カッター部分の上刃とデプスゲージの高さの差(デプス)の大きさによって切り込む深さが決まります。
以上のことから考えると、チェンソーが刃の摩耗によって切れにくくなることには、2つの側面があることが分かります。
1つは上刃と横刃が交わる頂点、ワーキングコーナーの摩耗によるものです。これは目立てをすることにより切れ味が復活します。
目立てをしても切れ味が戻らない場合は、目立てによって刃が短く低くなり、相対的にデプスゲージが高くなることによって、デプスが小さくなることです。この場合はデプスゲージを削る必要があります。
切れにくくなるとどうなる?
ソーチェーンの刃が摩耗すると、以下のような順番で症状が現れます。
- 木の切断に時間がかかる
- 木の切り屑が細かくなる
- 木に、刃が食い込まなくなる
途中で真っ直ぐに切れなくなることもあります。これはどちらか側のカッターに偏ったダメージを受けている時です。
チェンソーが切れにくくなったときの対策
では、チェンソーが切れない、切れにくくなったときはどうすれば良いでしょうか。
2つの方法が考えられます。
目立てをする
切れなくなった包丁を研ぎ直すのと同様に、切れなくなったら目立てをしましょう。切れなくなったチェーンではいくら頑張っても木は切れません。また、普段チェンソーを使い慣れない方にとって、木は想像以上に硬いので、目立ての頻度は他の刃物に比べて相当高く感じます。
ソーチェーンの目立てについてはこちらでも解説しています。
チェンソーの刃の研ぎ方(目立て)について解説します
ソーチェーンの交換を検討する
ソーチェーンは目立てを繰り返すことによって刃が徐々に短くなり、やがてデプスとのギャップも十分とれなくなります。小さくなり過ぎたカッターは目立てをきちんとしても使用中に折れて飛散しやすいので危険です。上刃の天面に寿命のサインが刻印されているチェーンはそれを目安に、刻印がないチェーンは上刃が新品時の20%以下になった時を目安に交換しましょう。
またソーチェーンを使用していく内に、カッターの部分だけではなくドライブスプロケットと噛み合うドライブリンクや、カッターとドライブリンクを繋ぐ役割のタイストラップ、部品同士を留めるリベットも摩耗、変形していきます。
各部品の寿命は同期するようになっていますが、不適切な使用をすると構成するパーツが原因でカッターの寿命前にチェーンが使用不可となります。そうなってしまった場合は原因をよく見極めた上で、新しいチェーンと交換することをお勧めします。
安全で効率の良い作業のために、チェンソーの刃は常に良い状態を保つことが重要です。チェンソーが良く切れないな、と感じたら、上記を参考にメンテナンスをしてみてください。
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