MENU

MENU

空師にとって「オレゴンの魅力」とは~熊倉純一さんインタビュー

空師にとって「オレゴンの魅力」とは~熊倉純一さんインタビュー

屋敷林や急斜面、狭い住宅街などに立つ巨木や高木に登り、建物などを傷つけずに木を切り出していく——。林業者の中でも専門的な技術を要する職人「空師」。国内屈指の空師として活躍している熊倉純一さん(株式会社熊倉林業代表、オレゴン社外プロダクツアドバイザー)に、オレゴン製品の魅力についてインタビューしました。

天高くそびえる高木の上でチェンソーを巧みに操る空師が、オレゴン製品を使い続ける理由とは何でしょう。オレゴンとの出会いから、仕事や道具へのこだわりまで、作業風景も見せてもらいながらお聞きしました。

空師の仕事と、オレゴンとの出会い

この日の現場は、都内の住宅街。民家が並ぶ狭い路地にそびえ立つ大きなケヤキの木から、電線に絡みそうなほど張り出した枝を次々と切り出しているところでした。熊倉さんが手がける案件は、庭師や一般的な林務作業員では手に負えない特殊なものが多いそうです。樹丈30mを超える巨木や、時にはご神木の伐採を任されることもあるといいます。

―まずは空師とは何か、どのようなお仕事をされているのかについて教えてください。

熊倉さん「林業というと、山の中に入って木を切り倒して搬出するイメージだと思いますが、我々は“街の中の林業”です。街の中には建物や電線、道路、お寺の木ならばお墓など、さまざまな障害物があるので木をバタンと切り倒すことができません。色々な特殊な条件の中で、安全に木を切り倒して、その木を活かすというところまでが僕らの仕事です。

昔は飛行機も高層ビルもなく、木の上が一番高いところで、空に一番近いところで仕事をする人ということで“空師”と呼ばれていたそうです。

この世界に入ったきっかけは、近所に空師の親方がいて、中学2年生の夏休みに友達とアルバイトに行ったことです。最初は小遣い稼ぎ程度でしたが、だんだんこの仕事がただ木を切るだけじゃなくて木材として活かすことであり、切った木がものすごく高額で売れるという面白さに目覚め、中学卒業と同時に弟子入りしました。あまりやっている職人がいないというのも魅力でしたね」

―当時オレゴンのことは知っていましたか?

熊倉さん「最初はチェンソーも、親方が用意したものだけを使っていたので、オレゴンの製品を使っているという意識はそこまでなかったです。ただ、オレゴンというメーカーがあるということは中学生の頃から知っていました。
でも、自分で使う道具というのも定まってきて、道具の手入れや管理も任せてもらえるようになった頃には、チェンソーのチェーンってみんなオレゴンなんだなと思うようになっていました。本体のエンジン部分のメーカーは何社かあるけど、ソーチェーンは1社しかないのかと。さらに後になって、他のメーカーもあることは知っていきましたけどね」

何より「切れる」ことが大事

―熊倉さんは30年以上もオレゴン製品をご利用されていることになりますが、オレゴン製品について特に魅力に感じている点を教えてください。

熊倉さん「やはり専門メーカーだけあって一番切れる感じがします。刃物は材料が良くないと切れないので、オレゴン製品には素材の良さを感じますね。安物の金属を使っているメーカーは切れ味も悪いし、耐久性も悪いので。切れ味や安全性に対するこだわりだったり、キックバックが起こりにくい構造だったり、プロ仕様の製品として信頼できます。

オレゴンは常に新製品を出してくるところも面白いです。安全対策されたチェーンとか、耐久性が増したチェーンとか、使いやすいチェーンとか、色んなものを出してくれるのも魅力です。道具にこだわっている職人同士の会話で、あの製品はよく切れてどうだったみたいな情報交換をするのも非常に楽しくて盛り上がるんですよ」

―最近特に良かった新製品はありますか?

熊倉さん「今日の作業にも使ってましたが、『スピードカットナノ』はいいですね。非常に切れ味がいい。小型のチェンソー用ですが、ソーチェーンもガイドバーも今までで一番いい、オススメの製品です。小型機用なので、庭木の枝打ちやDIYなどにも使いやすく、一般の方にもオススメです。

5年ぐらい前に中型機用のスピードカットが出たときも、これが一番切れるとみんな大絶賛でしたね。中型機用なのでセミプロからプロ仕様の製品でしたが、かなり評判がよかったです」

製品について詳しくはこちらから
スピードカットナノ

―防護服もオレゴン製品を使われていますね。

熊倉さん「身につけるもの、安全ベルトや昇柱器とか以外は、ブーツもチャップスも全部オレゴンです。このチャップスには防護機能があって、もしチェンソーが当たっても中の繊維がチェーンに絡みついて止まるので、怪我をしても軽傷で済むんです。オレゴン以外は着ないですね。オレゴンは世界のトップメーカーなので、それだけでも信頼できる安心感があります。まわりの人たちも色々使ってみて、オレゴンの製品は機能的で使いやすい、動きやすい、履きやすいって言いますね。

チェンソーは、使い方を間違えると刃が自分のほうに跳ね返ってくるキックバックで怪我をしやすいので、常にキックバックなどに注意し、安全に気を配って作業するようにしています。おかげで大きな怪我をしたことはありません。空師の仕事は毎回条件が異なり、マニュアルがないので場数を踏んで、どんな場合でも対処できるよう経験値を上げていくしかないんです」

まっすぐ切り長く使うため、目立ては欠かせない

―メンテナンスで気を付けていることはありますか?

熊倉さん「まっすぐ切れるよう目立てには気を使っています。ソーチェーンは左右にたくさん刃があるので、それを均一に保つことが大切。少しでも刃の大きさが違うと曲がる原因になります。切れ味が悪くて切り口がガタガタになったり、製品になる部分が曲がってしまい美しい木口でなくなると製品の価値が下がってしまいます。カッターの刃が多くなるので、ソーチェーンが長ければ長いほど難しいです。

目立てのタイミングは“なんとなく”。自分にとって気に入らない切れ味だったらそんなに痛んでいなくても目立てをします。少しでも切れ味が落ちると、切れ味が悪いことによって色んな細かいものがこびりつき、どんどん切れなくなっていきます。切れないまま押し当てて使っていると摩擦でバーが焼きついてしまい、本体の故障にも繋がります。切れ味が悪いと全部悪くなってしまい、価値がある木でも価値が下がってしまいますから」

オレゴンを選んでいれば間違いない

―熊倉さんにとって、オレゴンとはどのような存在ですか?

熊倉さん「僕ら空師は、チェンソーを持って木に登って作業をするので、切れ味はもちろん、軽量化がとても助かるんです。バーの軽さと耐久性と切れ味。チェンソーはこの3つがパフォーマンスを左右するんですが、オレゴンのソーチェーンとガイドバーには本当に助けられています。オレゴンで良かったということが多い。新商品も、オレゴンが最初に出して、他社がそれを追随している状況なので、オレゴンを使っていると他社に変える理由がないんです。オレゴンを選んでおけば間違いない。一番信頼できるメーカーです」

―最後に、チェンソーを使っている方、チェンソーをこれから使おうとしている方に向けて、何かメッセージをお願いします。

熊倉さん「ホームセンターなどでは安いものも売っていますが、あまり切れなかったり、切れ味がすぐ悪くなったりしやすいので、安もの買いの銭失いにならないよう、少しお金出してでもオレゴンを買ったほうが間違いないと思います。刃物は切れてこそ。オレゴンのように信頼できるメーカーのチェンソーを、大事に手入れしながら使ってください。

チェンソーを使いこなすのはなかなか難しいんですよ。なんでも切れると思われがちですが、木以外は絶対切らないでください。地面にちょっと刃が当たっただけですぐ切れなくなってしまうので。地面に置いた木を切るとき、プロは途中まで刃を当てたらひっくり返すか、何かあんこを入れて浮かせて切ります。一般の方はそれを面倒くさがってそのまま切ってしまい、すぐ切れなくしてしまうんですよ。

最近では安易に空師を名乗る人も多いですが、空師とはそう簡単になれるものではないと僕は思います。
まずはチェンソー等の道具をきちんと使いこなせること、伐採作業全般での木を切る技術が必要不可欠となります。様々な木の切り方はもちろん、異なる樹種の性質や重量の把握、色々な条件下での経験値、全ての伐採現場での作業を、高いレベルでこなす事ができなければ、樹上での伐採作業を安全に実施できるとは言えません。
それに、木を活かす、木を見極めるというのも空師の重要な役割です。
伐採の技術があるのは当たり前で、木材として活かすための知識も持っていないと。 ただ伐採するだけでは、木の命が無駄になってしまいます。切った木には木材として第二の人生を歩んでもらいたい、常にそう考えながら木と向き合い、毎日の仕事に取り組んでいます。そのため、木材としての価値を最大限に引き上げる立木の見立て、切り方にこだわっています。

先人たちから受け継いだ、木への感謝を忘れてはいけない。
木があるからこそ、我々の生活が成り立っているのです。
「木を切る技術」「木の知識」「木への敬意」
これらを持ってこそ、本当の空師と言えるのだと思います。

熊倉純一さんが代表をつとめる熊倉林業のサイトはこちらから
熊倉林業 - 木を活かす空師

オレゴンの製品一覧はこちらから
製品案内