共通テスト国語で8割超えを狙う!時間配分と解く順番の黄金ルール

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大学受験を控える皆さん、そして日々サポートされている保護者の皆様、こんにちは。教育アドバイザーとして長年多くの受験生を見てきましたが、共通テスト(旧センター試験含む)の中で、最も「時間が足りない」と悲鳴が上がる教科をご存じでしょうか?

それは間違いなく「国語」です。

特に近年の共通テストは文章量が増加傾向にあり、実力がある生徒でも時間配分をミスすると命取りになります。しかし、逆に言えば「正しい戦略」さえあれば、安定して8割以上の高得点を狙える教科でもあります。

この記事では、教育現場の最前線で指導してきた経験をもとに、明日から実践できる具体的な攻略法を余すところなくお伝えします。感覚ではなく、論理的な戦略で合格を勝ち取りましょう。

共通テスト国語の全体像と傾向を知る

敵を倒すには、まず敵を知ることから始まります。共通テスト国語は、単なる読解力テストではありません。「情報処理能力」と「事務処理能力」を極限状態で試される試験だと考えてください。ここでは、まず試験の全体像と近年の重要な変化について解説します。

新課程で何が変わった?90分試験への変化

2025年度入試(令和7年度)から、共通テスト国語は大きな転換点を迎えました。これまでの「80分・大問4題」から、「90分・大問5題」へと変更されたのです。

「試験時間が10分延びたから楽になるのでは?」と思った方は要注意です。新たに追加された第3問「実用的な文章」は、図表やグラフ、複数のレポートを読み解く必要があり、高い情報処理能力が求められます。

単純に計算しても、大問1つあたりにかけられる時間は18分。以前の20分ペースよりもさらにタイトになっています。この変化を甘く見ず、新しい90分のリズムを体に染み込ませることが、最初のステップとなります。

8割の壁を超えるために必要な「捨てる勇気」

共通テストで高得点を取る生徒と、そうでない生徒の決定的な違い。それは「完璧主義を捨てられるかどうか」にあります。

国語の試験において、すべての文章を隅から隅まで精読し、すべての設問に絶対の自信を持って答えることは、東大・京大レベルの受験生でも至難の業です。特に現代文の選択肢には、非常に紛らわしいものが含まれています。

8割を超えるために必要なのは、難問に時間を使いすぎないことです。「2分考えて根拠が見つからない問題は、とりあえずマークして次へ進む」という割り切りが、結果として全体の点数を押し上げます。満点ではなく、合格点を確実にとる戦略を持ちましょう。

平均点の推移から見る難易度の変化

共通テスト導入以降、国語の平均点は年度によってアップダウンがありますが、全体として「読ませる文字数」は右肩上がりです。

以前のセンター試験と比較すると、設問の選択肢自体の文字数も増えています。これは、「素早く読んで概要をつかむ力」がより重視されていることを意味します。

特に古文・漢文では、基礎知識(単語・文法・句形)が定着していないと、問題文を読む以前の段階で時間を浪費してしまいます。難易度が上がっているというよりは、「基礎知識の完成度」と「スピード」の要求値が上がっていると捉えるのが正解です。

絶対に失敗しない時間配分と解く順番

国語の試験は「時間との戦い」です。時計を見ずに解き進めると、最後の大問が手つかずになり、大失点につながります。ここでは、90分という時間を最大限有効に使うための「黄金ルール」をご紹介します。

【90分完成版】理想的な時間配分モデル

まずは、具体的な時間配分の目安を表にまとめました。これを基準に、自分の得意・不得意に合わせて微調整を行ってください。重要なのは「見直しの時間」を最初から計算に入れないことです。

解く順番大問(分野)目標時間ポイント
1番目第5問:漢文15分最も短時間で高得点が狙える得点源。最優先で処理。
2番目第4問:古文20分深入りは禁物。設問に関わる部分を重点的に読む。
3番目第1問:現代文(論理)22分硬質な文章。全体構成を把握しながら論理を追う。
4番目第2問:現代文(文学)20分小説・随筆。心情変化の根拠を素早く探す。
5番目第3問:実用的文章13分新傾向。「読む」より「探す」感覚で処理する。

※上記で合計90分ジャストです。マークミス確認は各設問を解き終わった瞬間に必ず行ってください。

なぜ「漢文」からスタートするのがセオリーなのか

多くの受験指導のプロが「漢文から解け」と指導するには明確な理由があります。それは、漢文が最も「努力に対するリターンが大きく、かつ計算が立つ」分野だからです。

現代文は、どんなテーマが出るかによって読むスピードが左右されがちです。しかし、漢文は句形(文法ルール)が決まっており、文章の構造もパターン化されています。精神的にプレッシャーのかかる試験開始直後に、確実に解ける漢文でリズムを作ることで、その後の現代文にも落ち着いて取り組むことができます。

逆に、現代文から解き始めてハマってしまうと、後半の古文・漢文に使える時間が5分しか残っていない、という最悪の事態になりかねません。

現代文にどれだけの時間を残せるかが勝負

上記の表では、現代文(論理・文学・実用)の合計で55分を確保しています。これが最低ラインです。

特に新設された第3問「実用的な文章」は、対策が手薄になりがちな分野です。ここをいかにスピーディーに処理できるかが、全体の余裕を生み出します。実用文は、最初から最後までじっくり読む必要はありません。設問を見てから、必要な情報を「検索」するように本文を見るスキルが必要です。

古文・漢文をいかに早く(合計35分以内目標)終わらせ、現代文という「魔物」に対峙する時間を捻出するか。これが共通テスト国語の戦略のすべてと言っても過言ではありません。

現代文(論理的文章・文学的文章・実用)の具体的攻略法

現代文は「センス」で解くものではありません。本文中に必ず答えの根拠があります。ここでは、それぞれのジャンルごとの具体的なアプローチ方法を解説します。

論理的な文章(第1問):キーワードのつながりを見る

第1問の評論文では、筆者の主張(イイタイコト)を正確につかむ力が問われます。ここで意識してほしいのは、「対比構造」と「言い換え」です。

  • 対比構造:「西洋と東洋」「近代と前近代」「科学と自然」など、筆者は何かと何かを比べて論を展開します。「AではなくBだ」という文脈を見逃さないようにしましょう。
  • 言い換え:重要な主張は、形を変えて何度も繰り返されます。一見難解な表現でも、前後の段落に簡単な言葉で言い換えられていることがよくあります。

読み進める際は、接続詞(しかし、つまり、したがって)に四角で囲みを入れるなど、視覚的に論理構造が見えるように工夫してください。

文学的な文章(第2問):心情の変化を客観的に追う

小説や随筆問題で最もやってはいけないこと、それは「感情移入」です。「自分ならこう思う」という主観は、共通テストでは不正解への近道です。

正解の根拠は必ず本文に書かれています。特に注目すべきは、「心情が変化したタイミング」と「そのきっかけ(出来事)」です。

「マイナスの感情」から「プラスの感情」へ変わった場面があれば、その直前に何があったのかをチェックしてください。また、直接的な心情語(悲しい、うれしい)だけでなく、情景描写(雨が降り止んだ、空が青く見えた)が心情を暗示しているケースも頻出です。

実用的な文章(第3問):情報は「読む」のではなく「探す」

新課程の鍵を握る第3問です。ここは、法律の条文、会議の議事録、グラフ、ポスターなど、複数の資料が提示されます。

攻略のコツは、「設問を先に読むこと」です。何を聞かれているのか(日付なのか、理由なのか、条件なのか)を把握してから、それに該当する箇所を資料の中から探しに行きます。

文章を頭から丁寧に読んで理解しようとすると、時間がいくらあっても足りません。「スキャニング(必要な情報を探し出す)」能力を意識して、日頃からグラフや図表を含む文章に慣れておくことが重要です。

古文を得点源にするための学習ステップ

多くの受験生が苦手意識を持つ古文ですが、実は現代文以上に「やった分だけ点数が伸びる」科目です。なんとなく雰囲気で読んでしまっている人は、以下のステップで確実な読解力を身につけましょう。

古典の勉強法完全ガイド!古文・漢文を得意科目にする効果的な方法

単語と文法だけでは戦えない理由

「単語も覚えた、文法も完璧だ、でも読めない」。これは受験生から最も多く寄せられる相談の一つです。

なぜこのような現象が起きるのでしょうか。それは、古文という言語が「省略の多い言語」だからです。特に主語の省略は頻繁に起こります。単語の意味をつなぎ合わせるだけでは、誰が何をしたのかが見えず、ストーリーが破綻してしまいます。

もちろん、『マドンナ古文単語』や『読んで見て覚える重要古文単語315』などで基礎語彙を固めるのは大前提です。しかし、それだけでは得点に結びつかないことをまずは理解しましょう。単語と文法は「武器」ですが、それをどう使うかという「戦術」が必要です。

主語の省略を補うトレーニング

では、省略された主語をどうやって見抜けばよいのでしょうか。最大のヒントは「敬語」にあります。

古文の世界では、動作主(誰がしたか)によって使われる敬語が決まっています。

  • 尊敬語:動作主は偉い人(天皇、貴族など)
  • 謙譲語:動作の受け手が偉い人
  • 丁寧語:話し手が聞き手に敬意を払っている(会話文で重要)

例えば、「給ふ(たまう)」という尊敬語がついていれば、その動作をしているのは身分の高い人物だと特定できます。日頃の演習から、「この動詞の主語は誰か?」を常に書き込む癖をつけてください。『富井の古文読解をはじめからていねいに』などの参考書を使って、主語特定のロジックを学ぶのが近道です。

和歌や文学史も捨てずに拾うべきポイント

共通テストでは、文章中に和歌が含まれるケースや、文学史の知識を問う設問が出題されることがあります。

和歌については、修辞法(掛詞や枕詞)に目が行きがちですが、最も大切なのは「誰が、どんな状況で、どのような気持ちを詠んだか」という直前直後の文脈です。和歌はあくまで心情の強調表現ですので、ストーリーの流れから大きく外れることはありません。

文学史に関しては、深入りする必要はありません。『源氏物語』『枕草子』『徒然草』といった主要作品の成立時代、ジャンル、作者を押さえておくだけで十分です。学校で配られる便覧(資料集)の年表を一度整理しておけば、貴重な数点を拾うことができます。

漢文で満点を狙う最短ルート

漢文は、国語の中で最もコストパフォーマンスが良い分野です。覚えるべきことが少なく、ルールも明確だからです。ここで満点(50点)を取れるかどうかが、国語全体の安定感を左右します。

句形と重要語句の暗記は必須条件

漢文の学習は、これに尽きます。「句形(くけい)」を覚えていない状態で問題を解くのは、ルールを知らずにスポーツをするのと同じです。

再読文字(未、将、当など)、使役、受身、否定、反語、疑問。これら基本の句形をマスターすれば、書き下し文の問題も現代語訳の問題も、機械的に解けるようになります。

おすすめは『漢文ヤマのヤマ』や『漢文早覚え速答法』です。これら一冊を完璧にすれば、共通テストレベルの知識は網羅できます。薄い参考書を一冊選び、ボロボロになるまで繰り返してください。

漢詩独特のルールを押さえておく

共通テストでは、漢詩が出題されることもあります。ここで焦らないために、最低限のルールを知っておきましょう。

  • 押韻(おういん):偶数句の末尾で韻を踏むルール。
  • 対句(ついく):隣り合う句が、文法構造や意味において対(ペア)になっていること。
  • 絶句と律詩:4行なら絶句、8行なら律詩。

漢詩も普通の文章と同じく、作者の心情や風景描写がメインテーマです。形式的なルールを確認したら、あとは通常の読解と同じように、何について詠んでいるのかを丁寧に追っていけば恐れることはありません。

漢詩が驚くほど読める!テストで8割取るための基礎ルールと物語

書き下し文と現代語訳のリンク

試験本番で使えるテクニックとして、「書き下し文」と「現代語訳」の選択肢を照らし合わせる方法があります。

書き下し文の選択肢で迷ったら、それに対応する現代語訳の選択肢を見てみましょう。現代語訳の内容がおかしければ、対応する書き下し文も間違っている可能性が高いです。逆もまた然りです。

漢文はパズルのような要素があります。真正面から解くだけでなく、選択肢同士の整合性をチェックすることで、ケアレスミスを大幅に減らすことができます。

おすすめの参考書と模試活用法

最後に、日々の学習を支えるツールとしての参考書と、模試の活用法についてお話しします。自分に合った道具を選び、正しく使うことが合格への近道です。

過去問研究には「赤本」と「黒本」どちらが良いか

共通テスト対策の定番といえば、教学社の「赤本」と河合塾の「黒本(共通テスト過去問レビュー)」です。どちらを選ぶべきか迷う人も多いでしょう。

種類特徴おすすめな人
黒本(河合塾)解説が非常に丁寧で詳しい。正解へのプロセスが論理的。解説をしっかり読み込んで理解を深めたい人。
赤本(教学社)掲載年数が多い。古い過去問まで遡って演習できる。とにかく数をこなして形式に慣れたい人。
青本(駿台)難関大志望者向けの高度な解説。実戦的なテクニックも掲載。国語が得意で、さらに高みを目指す人。

個人的なおすすめは、解説の質が高い「黒本」です。特に国語は「なぜそれが正解なのか」という根拠の確認が学習の肝となります。納得のいく解説がついているものを選んでください。

大手予備校の模試をどう分析するか

模試を受けっぱなしにしていませんか?模試は「健康診断」と同じです。悪い数値が出たところを治療しなければ、意味がありません。

国語の復習でやるべきことは、正解した問題も含めて「解説を読むこと」です。自分が選んだ根拠と、解説にある正解の根拠が一致しているか確認してください。「勘で当たった」は、本番では不正解と同じリスクを持ちます。

また、時間配分の振り返りも必須です。「大問2で時間を使いすぎたから、次はここを5分短縮しよう」といった具体的な作戦修正を毎回行いましょう。

直前期に伸びる人と伸びない人の違い

入試直前の1ヶ月、国語の成績が急激に伸びる生徒がいます。彼らに共通しているのは、「新しい問題に手を出さず、過去問の復習に徹している」という点です。

直前期に不安になって新しい問題集を買うのはNGです。これまで解いた過去問や模試を引っ張り出し、「なぜ間違えたのか」「筆者の主張をどこで読み違えたのか」をもう一度確認してください。

思考のプロセスを修正し、共通テスト特有の「選択肢の癖」に脳をチューニングすること。これこそが、直前期にできる最大の対策であり、得点アップの秘訣です。

まとめ:合格へのロードマップ

ここまで、共通テスト国語の攻略法を解説してきました。最後に重要なポイントを整理します。

  • 時間配分が命:漢文15分・古文20分・現代文55分のペース配分を体に染み込ませる。
  • 戦略的な解く順番:計算の立つ「漢文」からスタートし、精神的な余裕を作る。
  • 現代文は情報処理:全文精読より、対比や言い換えを見つけ、設問の根拠を探す意識を持つ。
  • 古文・漢文は基礎徹底:単語・文法・句形という基礎体力がなければ、テクニックは通用しない。

国語は「水物(みずもの)」と言われることがありますが、正しい準備をすれば「安定した得点源」に変えることができます。今日から一つひとつ、着実に積み上げていってください。皆さんの健闘を祈ります。

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