早慶上智とは?偏差値・就職実績・各大学の特徴を徹底比較【2025年最新版】

早慶上智とは?大学群の基礎知識

早慶上智という言葉を耳にしたことがある受験生は多いと思います。この呼び方は、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学という私立大学の最難関3校をまとめた大学群の通称です。いずれも高い学力と豊富な実績を持ち、多くの受験生が憧れる存在となっています。この章では、早慶上智の基本的な位置づけや歴史について詳しく見ていきます。

早慶上智が指す3つの大学

早慶上智とは、早稲田大学慶應義塾大学上智大学の3大学を指す呼称です。

この3校はいずれも東京都内に本部を置く私立大学で、長い歴史と伝統を持っています。早稲田大学は1882年に大隈重信が創設した東京専門学校を前身とし、慶應義塾大学は1858年に福澤諭吉が開いた蘭学塾が起源です。上智大学は1913年にカトリック修道会イエズス会によって設立されました。

これらの大学は、それぞれ独自の建学の精神と教育理念を持ちながら、日本の高等教育をリードしてきた存在です。偏差値の高さだけでなく、卒業生の社会的活躍研究実績国際性などの面でも高い評価を受けています。

受験生の間では、国公立大学の東京大学・京都大学に次ぐ難関私立大学群として認識されており、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)よりも一段階上のレベルとして位置づけられています。

私立大学のトップ層としての位置づけ

早慶上智は、私立大学の最高峰として確固たる地位を築いています。

偏差値ランキングでは、ほとんどの学部で偏差値60以上、人気学部では偏差値70近くに達することもあります。この数値は、受験生全体の上位数パーセントに入る必要があることを意味しており、相当な学力が求められます。

また、これらの大学は単に入学難易度が高いだけでなく、教育の質研究環境就職実績のすべてにおいて優れています。特に大手企業への就職率や、公務員試験・司法試験などの資格試験合格者数では、常に上位にランクインしています。

さらに国際的な評価も高く、海外の大学との交流プログラムや留学制度も充実しています。グローバル化が進む現代において、これらの大学で学ぶことは、将来のキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。

早慶上智という呼称の由来と歴史

早慶上智という呼称は、受験業界や教育関係者の間で自然発生的に生まれた言葉です。

もともと早慶という呼び方は古くから存在しており、この2校は長年ライバル関係にありました。スポーツの対抗戦である早慶戦は、100年以上の歴史を持つ伝統行事として知られています。

そこに上智大学を加えた早慶上智という括りが定着したのは、1970年代から1980年代にかけてのことです。上智大学が国際性と語学教育で高い評価を得るようになり、偏差値的にも早稲田・慶應に肩を並べるようになったことが背景にあります。

現在では、この3校を一つのグループとして扱うことが受験業界のスタンダードとなっています。予備校の模試結果や合格実績の分析でも、早慶上智という区分けが頻繁に使われており、受験生にとっても一つの明確な目標ラインとして機能しています。

他の大学群との違い

早慶上智と他の大学群を比較すると、いくつかの明確な違いが見えてきます。

まずMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)との比較では、偏差値で5から10程度の差があります。MARCHも十分に難関大学ですが、早慶上智はさらに上位層の受験生が集まる環境です。入試問題の難易度も高く、より深い思考力や応用力が求められます。

関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)と比較すると、地域性の違いも重要なポイントです。関関同立は関西地方における私立トップ層ですが、全国的な知名度や就職実績では早慶上智に軍配が上がります。

また、旧帝国大学などの国公立大学と比較した場合、学費の違いは大きな要素です。しかし早慶上智は、その学費に見合うだけの教育環境と就職サポート、人脈形成の機会を提供しています。特に文系学部においては、国公立大学と遜色ない、あるいはそれ以上の教育を受けられると評価されています。

早慶上智の偏差値と難易度を徹底比較

偏差値は大学選びの重要な指標の一つです。早慶上智を目指す受験生にとって、各大学・各学部の偏差値を正確に把握することは戦略立案の第一歩となります。この章では、最新の偏差値データをもとに、3大学の難易度を詳しく比較していきます。

学部別偏差値ランキング

早慶上智の学部別偏差値を見ると、大学ごとに得意分野が異なることがわかります。

早稲田大学では、政治経済学部が偏差値70.0で最難関となっており、法学部が67.5、商学部が67.5と続きます。文系学部全体が高水準で、特に社会科学部や国際教養学部も人気が高く偏差値65.0以上を維持しています。理工系では基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部がいずれも偏差値65.0前後です。

慶應義塾大学では、医学部が偏差値72.5と群を抜いて高く、次いで法学部が70.0、経済学部が67.5となっています。慶應の特徴は、ほぼすべての学部が偏差値65.0以上という安定した高水準を保っている点です。特にSFC(湘南藤沢キャンパス)の総合政策学部・環境情報学部も独自性のある教育で人気を集めています。

上智大学では、法学部国際関係法学科が偏差値67.5でトップ、外国語学部の英語学科が65.0、経済学部が65.0と続きます。上智の強みは語学系学部で、外国語学部には多様な言語コースがあり、それぞれ高い偏差値を維持しています。

入試科目と配点の特徴

早慶上智の入試では、それぞれの大学が独自の出題傾向と配点を持っています。

早稲田大学の一般入試は学部ごとに異なる試験を実施しており、特に英語の配点が高い学部が多いです。政治経済学部では数学が必須となり、より論理的思考力が求められます。国語は現代文と古文が中心で、記述問題も出題されます。問題の難易度は高く、深い読解力論述力が必要です。

慶應義塾大学も学部独自入試を採用しており、特に小論文を重視する学部が多いのが特徴です。文学部・法学部・経済学部などでは、英語・地歴・小論文という組み合わせが一般的です。小論文では、論理的思考力表現力知識の応用力が総合的に評価されます。

上智大学はTEAP利用型入試を積極的に導入しており、英語外部試験のスコアを活用できる点が大きな特徴です。一般入試でも英語の難易度は高く、特に長文読解と英作文で高得点を取る必要があります。

合格最低点と倍率のデータ

合格最低点と倍率は、実際の入試難易度を測る重要な指標です。

早稲田大学の人気学部では、合格最低点が得点率70%以上となることが多く、政治経済学部や法学部では75%以上が目安となります。倍率は学部によって大きく異なり、政治経済学部で5倍前後、人気の高い文化構想学部や文学部では10倍を超えることもあります。

慶應義塾大学の合格最低点は、法学部で得点率65%から70%程度、経済学部で60%から65%程度が目安です。ただし、小論文の採点基準が明確でないため、実質的にはさらに高い実力が必要とされます。倍率は比較的安定しており、多くの学部で3倍から5倍程度です。

上智大学の合格最低点は、法学部や外国語学部で得点率65%程度、その他の学部で60%程度が一般的です。倍率は学部・学科によって幅があり、人気の国際関係法学科や英語学科では5倍以上になることもあります。

これらのデータから、いずれの大学も安定して高得点を取る力が求められることがわかります。

共通テスト利用入試の活用法

共通テスト利用入試は、早慶上智を目指す受験生にとって重要な選択肢の一つです。

早稲田大学では、多くの学部で共通テスト利用入試を実施しています。必要な得点率は学部によって異なりますが、人気学部では85%以上が目安となります。特に、教育学部や人間科学部などは、共通テストで高得点を取れる受験生にとって狙い目です。

慶應義塾大学は、残念ながら共通テスト利用入試を実施していません。そのため慶應を志望する場合は、必ず個別学力試験の対策が必要になります。これは慶應が独自の選抜基準を重視している表れでもあります。

上智大学は共通テスト利用入試を積極的に展開しており、TEAP利用型との併用も可能です。必要な得点率は学部によって80%から90%程度と幅があります。特に理工学部では、共通テストの結果を活用しやすい制度設計となっています。

共通テスト利用入試を活用することで、複数の受験機会を確保でき、合格の可能性を高めることができます。

早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学それぞれの特徴

同じ早慶上智でも、3つの大学はそれぞれ異なる個性と強みを持っています。自分に合った大学を選ぶためには、各大学の特徴を深く理解することが重要です。この章では、それぞれの大学の魅力について詳しく解説します。

早稲田大学の学風と強み

早稲田大学は、自由で多様性に富んだ学風が最大の特徴です。

「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」という建学の理念のもと、幅広い分野で活躍する人材を輩出してきました。キャンパスには約4万人の学生が在籍し、日本最大級のスケールを誇ります。

早稲田の強みは、文理を問わない総合力です。政治経済学部・法学部・商学部といった伝統的な文系学部に加え、理工学部や社会科学部、国際教養学部など多様な学部があります。特にジャーナリズムや政治の分野では、多くのOB・OGが第一線で活躍しており、強力な人脈ネットワークを形成しています。

また、サークル活動学生活動が非常に盛んで、学業以外の経験も豊富に積むことができます。早慶戦をはじめとするスポーツイベントや、学園祭である早稲田祭は、学生生活の大きな魅力となっています。

キャンパスは主に早稲田・戸山・西早稲田・所沢に分かれており、学部によって通学するキャンパスが異なります。

慶應義塾大学の伝統と実績

慶應義塾大学は、実学の精神独立自尊の理念を掲げる名門校です。

福澤諭吉が創設した日本最古の私立大学として、長い歴史と伝統を持ちます。慶應の最大の特徴は、一貫教育システムです。幼稚舎(小学校)から大学・大学院まで、一貫した教育理念のもとで学ぶことができ、強固な人脈形成が可能です。

慶應の強みは、特に経済・ビジネス分野での圧倒的な実績です。経済学部・商学部の卒業生は、金融業界や大手企業の経営層に多数在籍しており、「三田会」と呼ばれる同窓会組織は日本有数の人脈ネットワークとして知られています。

また、医学部を持つ唯一の私立トップ大学として、医療分野でも高い評価を得ています。慶應義塾大学病院は日本有数の総合病院であり、最先端の医療と研究が行われています。

キャンパスは三田・日吉・矢上・信濃町・湘南藤沢に分かれており、特に湘南藤沢キャンパス(SFC)は、先端的な研究と教育で独自の地位を築いています。

上智大学の国際性と語学教育

上智大学は、圧倒的な国際性が最大の魅力です。

カトリック系のイエズス会によって設立された大学として、創立当初から国際教育に力を入れてきました。For Others, With Others(他者のために、他者とともに)という教育理念のもと、グローバルな視野を持つ人材を育成しています。

上智の最大の強みは、語学教育の質の高さです。外国語学部には英語・ドイツ語・フランス語・イスパニア語・ロシア語・ポルトガル語など多様な言語コースがあり、いずれも専門性の高い教育を提供しています。また、全学部で英語教育が充実しており、ネイティブ教員による少人数制の授業が数多く開講されています。

さらに、留学制度も充実しており、世界約300の大学と協定を結んでいます。交換留学プログラムでは、単位互換が可能で、4年間で卒業することも十分可能です。キャンパス内でも留学生との交流機会が多く、日常的に国際感覚を磨くことができます。

四谷キャンパスは都心の好立地にあり、アクセスの良さも大きな魅力です。コンパクトなキャンパスながら、最新の設備が整っています。

3大学のキャンパスライフ比較

それぞれの大学のキャンパスライフには、明確な違いがあります。

早稲田大学は、自由で多様な学生文化が特徴です。サークル数は約500にも上り、スポーツ・文化・ボランティアなど、あらゆる分野で活動できます。学生の自主性が尊重され、起業する学生や社会活動に取り組む学生も多くいます。一方で、学生数が多いため、大人数講義も少なくありません。

慶應義塾大学は、伝統と格式を重んじる校風があります。三田会をはじめとする同窓会活動が盛んで、卒業後も強いつながりが続きます。学生は洗練された雰囲気を持ち、ビジネスマインドの高い人が多い印象です。体育会系のサークルも盛んで、規律ある活動が特徴です。

上智大学は、国際色豊かでアットホームな雰囲気があります。キャンパスがコンパクトなため、学生同士の距離が近く、教員とのコミュニケーションも取りやすい環境です。留学生が多く、多文化共生の環境で学べます。

早慶上智の就職実績と進路データ

大学選びにおいて、卒業後の進路は非常に重要な判断材料です。早慶上智は、その高い就職実績で知られています。この章では、具体的なデータをもとに、3大学の就職状況を詳しく見ていきます。

主要企業への就職状況

早慶上智の卒業生は、日本を代表する企業に多数就職しています。

早稲田大学の就職先上位には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループなどのメガバンク、東京海上日動火災保険、日本生命保険などの保険会社が並びます。また、楽天、NTTデータ、アクセンチュアなどのIT・コンサル企業への就職も多く、幅広い業界で活躍しています。マスコミ業界では、NHKや民放各局への就職実績が豊富です。

慶應義塾大学は、特に金融業界とコンサルティング業界に強いです。三大メガバンクはもちろん、野村證券、大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などの証券会社への就職が目立ちます。また、マッキンゼー、BCG、ベインといった外資系戦略コンサルへの就職実績も豊富です。商社では、三菱商事、三井物産、住友商事など総合商社への就職者数が多いです。

上智大学は、航空業界と外資系企業への就職に強みがあります。全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)への就職者数は私立大学でトップクラスです。また、外資系金融機関や外資系メーカー、国際機関への就職も多く、グローバルに活躍する卒業生が数多くいます。

業界別就職率の比較

業界別に見ると、3大学それぞれに得意分野があります。

金融業界では、慶應義塾大学が最も強く、特にメガバンクや証券会社での採用実績が群を抜いています。早稲田大学も金融業界への就職者は多いですが、より幅広い業界に分散している傾向があります。上智大学は、外資系金融機関への就職が比較的多いのが特徴です。

マスコミ・広告業界では、早稲田大学が圧倒的な強さを誇ります。新聞社、放送局、出版社、広告代理店のいずれにおいても、早稲田出身者が多数活躍しています。これは、早稲田大学に政治経済学部ジャーナリズムコースがあることも影響しています。

IT・コンサルティング業界では、3大学ともに高い就職実績があります。特に近年は、アクセンチュア、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティングなどの大手コンサルティングファームへの就職が増えています。

製造業では、理工系学部を持つ早稲田大学と慶應義塾大学が強く、トヨタ自動車、ソニー、パナソニックなどの大手メーカーへの就職実績が豊富です。

大学院進学率と研究環境

早慶上智からの大学院進学率は、学部によって大きく異なります。

理工系学部では、大学院進学率が70%から80%に達することも珍しくありません。早稲田大学の先進理工学部や、慶應義塾大学の理工学部では、多くの学生が修士課程に進み、さらに深い専門知識を身につけます。研究設備も充実しており、企業との共同研究プロジェクトも数多く実施されています。

文系学部では、進学率は10%から20%程度ですが、法科大学院への進学者や、経済学・経営学の修士課程に進む学生もいます。特に、研究者を目指す学生や、より専門的な知識を求める学生にとって、早慶上智の大学院は魅力的な選択肢です。

また、3大学ともに学内推薦制度があり、優秀な成績を修めた学生は、比較的スムーズに大学院に進学できます。自大学の大学院に進む学生が多い一方で、東京大学や海外の大学院に進学する学生もいます。

OB・OGネットワークの強さ

早慶上智の大きな魅力の一つが、強力なOB・OGネットワークです。

早稲田大学の同窓会組織である稲門会は、全国各地に支部があり、業界別・職種別の組織も充実しています。就職活動では、OB・OG訪問がしやすく、先輩から貴重なアドバイスをもらえる機会が多数あります。卒業後も、様々な場面で早稲田のネットワークが役立ちます。

慶應義塾大学の三田会は、日本で最も強力な同窓会組織の一つとされています。企業経営者や政治家など、各界のトップに慶應出身者が多く、その人脈は計り知れない価値があります。就職活動においても、三田会のつながりが大きな武器となります。

上智大学のソフィア会も、国内外に広がる強固なネットワークを持っています。特に、国際機関や外資系企業で活躍するOB・OGが多く、グローバルなキャリアを目指す学生にとって心強い存在です。

早慶上智合格に必要な学力と受験対策

早慶上智合格には、高いレベルの学力と効果的な受験対策が必要です。この章では、合格に向けて必要な準備と、科目別の具体的な対策方法について解説します。

高校1年生から始める基礎固め

早慶上智を目指すなら、高校1年生からの計画的な学習が重要です。

まず最も大切なのは、英語の基礎力を徹底的に固めることです。英単語・英文法・英文解釈の3つの柱をしっかりと学習します。高校1年生のうちに、英単語帳を1冊完璧にマスターし、基本的な英文法を理解することを目標にしましょう。毎日30分でも継続することで、確実に力がつきます。

次に、数学(文系でも数学受験を考えている場合)は、教科書レベルの内容を確実に理解することが基本です。公式を覚えるだけでなく、なぜその公式が成り立つのかを理解することで、応用力が身につきます。

国語では、現代文の読解力を高めることが重要です。新聞の社説を読む習慣をつけたり、評論文に触れる機会を増やしたりすることで、論理的思考力が養われます。古文は、古文単語と文法の基礎を高1のうちに固めておくと、後が楽になります。

この時期は焦らず、基礎を徹底的に固めることに集中しましょう。

科目別の効果的な勉強法

各科目で求められる力と、効果的な学習方法を見ていきます。

英語は早慶上智入試の最重要科目です。長文読解では、単に単語の意味を追うだけでなく、段落ごとの論理構造を把握する力が必要です。過去問演習では、制限時間内に正確に読み解く訓練を重ねます。英作文対策では、基本的な構文を使いこなせるようになることが先決です。添削を受けることで、自分では気づきにくいミスを修正できます。

数学(理系・文系数学選択者)では、標準レベルの問題を確実に解ける力が基本です。早慶の数学は、奇問・難問よりも、標準的な問題を正確に素早く解く力が求められます。問題集を何周も繰り返し、解法パターンを身体に染み込ませることが重要です。

国語の現代文では、筆者の主張を正確に読み取る力が必要です。選択肢問題では、細部まで注意深く読み、論理的に正解を導き出します。古文では、文法知識に加えて、古典常識や文学史の知識も必要です。過去問を通じて、頻出の文法事項や単語を優先的に覚えていきましょう。

日本史・世界史などの社会科目は、早慶上智レベルでは非常に細かい知識まで問われます。教科書を何度も読み込み、用語集で補足しながら、体系的に理解することが大切です。ただ暗記するのではなく、因果関係や時代の流れを理解することで、記憶が定着しやすくなります。

模試の活用と学習計画の立て方

模擬試験は、自分の実力を客観的に測る貴重な機会です。

河合塾の全統模試駿台の模試代々木ゼミナールの模試など、大手予備校が実施する模試を定期的に受験しましょう。特に、早慶上智を志望する受験生が多く受ける模試では、正確な合格判定が出やすくなります。

模試の結果は、一喜一憂するものではなく、弱点発見のツールとして活用します。間違えた問題を丁寧に復習し、なぜ間違えたのか、どの知識が不足していたのかを分析します。この作業が、最も効果的な学習につながります。

学習計画を立てる際は、長期・中期・短期の3段階で考えます。長期計画では、受験本番までの大まかな流れを決め、中期計画では月単位での目標を設定し、短期計画では週単位や日単位のタスクを具体化します。計画は柔軟に修正しながら、常に現実的な目標を設定することが成功の秘訣です。

また、定期的に自分の学習記録を振り返り、どの科目にどれだけ時間を使ったか、どの程度成果が出ているかを確認します。

過去問演習のポイント

過去問演習は、受験勉強の総仕上げとして欠かせません。

開始時期は、基礎力がついた高校3年生の夏以降が理想的です。それより前に過去問に手を出しても、基礎力不足で歯が立たず、自信を失う可能性があります。ただし、志望校の問題傾向を知るために、高2の段階で一度解いてみるのは有効です。

過去問を解く際は、必ず時間を測って本番と同じ条件で取り組みます。時間配分の感覚を掴むことは、合格に直結する重要なスキルです。解き終わったら、すぐに採点し、間違えた問題を徹底的に復習します。

早慶上智の過去問は、最低でも過去10年分は解くことをおすすめします。繰り返し解くことで、出題傾向や頻出テーマが見えてきます。また、同じ問題を何度も解き直すことで、解法が身につき、応用力も高まります。

特に慶應義塾大学の小論文や、早稲田大学の国語の記述問題など、独自性の高い問題は、添削を受けることが効果的です。予備校や学校の先生に見てもらうことで、自分では気づかない改善点が見つかります。

早慶上智の選び方|自分に合った大学の見つけ方

早慶上智はいずれも素晴らしい大学ですが、それぞれに個性があります。自分に最も合った大学を選ぶことが、充実した大学生活につながります。この章では、自分に合った大学を見つけるためのポイントを解説します。

学びたい分野から選ぶ大学

将来の進路や興味のある分野によって、最適な大学は変わってきます。

政治・ジャーナリズムに興味があるなら、早稲田大学の政治経済学部がおすすめです。多くの政治家やジャーナリストを輩出してきた伝統があり、実践的な学びが得られます。

経済・ビジネスの分野で活躍したいなら、慶應義塾大学の経済学部や商学部が有力な選択肢です。三田会という強力なネットワークは、将来のキャリア形成において大きな財産となります。

国際関係・語学に強い興味があるなら、上智大学の外国語学部や国際教養学部が最適です。留学制度も充実しており、グローバルな環境で学ぶことができます。

理工系の研究をしたいなら、早稲田大学の理工学部群や慶應義塾大学の理工学部が充実した研究環境を提供しています。企業との共同研究も盛んで、実践的なスキルが身につきます。

法律を学びたいなら、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学のいずれの法学部も高いレベルの教育を提供していますが、司法試験を目指すなら早稲田と慶應の実績が特に優れています。

キャンパス環境と立地条件

大学生活を送る上で、キャンパスの環境と立地は重要な要素です。

早稲田大学の早稲田キャンパスは、東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5分という好立地にあります。都心にありながら、緑豊かで落ち着いた環境です。ただし、学部によっては所沢キャンパス(埼玉県)に通うことになり、通学時間が長くなる可能性があります。理工系の学部は西早稲田キャンパスとなり、こちらも都心部に位置しています。

慶應義塾大学は、学部によって通うキャンパスが大きく異なります。1・2年生は日吉キャンパス(神奈川県横浜市)、3・4年生は三田キャンパス(東京都港区)に通う学部が多いです。SFC(湘南藤沢キャンパス)は神奈川県藤沢市にあり、都心から離れていますが、最先端の教育環境が整っています。

上智大学の四谷キャンパスは、JR・地下鉄の四ツ谷駅から徒歩3分という抜群のアクセスです。コンパクトなキャンパスで移動が楽で、都心の利便性を最大限に享受できます。

通学時間や周辺環境は、4年間の生活の質に大きく影響するため、実際にキャンパスを訪れて雰囲気を確認することをおすすめします。

学費と奨学金制度の比較

私立大学の学費は、家計にとって大きな負担となります。

学費は3大学ともほぼ同水準で、文系学部で年間約120万円から130万円程度、理系学部で年間約170万円から180万円程度です。4年間の総額では、文系で約500万円、理系で約700万円が目安となります。

ただし、各大学とも奨学金制度が充実しています。早稲田大学には「めざせ!都の西北奨学金」など、経済的に困難な学生を支援する制度があります。慶應義塾大学には「学問のすゝめ奨学金」があり、入学前に申し込める予約型奨学金も用意されています。上智大学には「新入生奨学金」や「修学奨励奨学金」など、様々な給付型奨学金があります。

また、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金も利用できます。給付型奨学金と貸与型奨学金があり、家計の状況や学業成績に応じて支援を受けられます。

学費の負担が心配な場合でも、奨学金を活用することで進学が可能になるケースは多いです。早めに情報収集し、利用できる制度を確認しましょう。

オープンキャンパスで確認すべきポイント

実際に大学を訪れることで、パンフレットやウェブサイトだけではわからない情報が得られます。

授業の雰囲気を確認するために、可能であれば実際の講義を見学しましょう。教員と学生の距離感や、授業の進め方、学生の反応などが見えてきます。

施設・設備も重要なチェックポイントです。図書館の蔵書数や開館時間、自習スペースの充実度、研究設備の新しさなどを確認します。また、食堂やカフェ、ラウンジなどの学生生活の場も見ておくとよいでしょう。

在学生との対話は、非常に貴重な機会です。受験勉強のこと、入学後の生活、サークル活動、就職活動など、リアルな声を聞くことができます。遠慮せずに質問してみましょう。

キャンパス周辺の環境も歩いてみることをおすすめします。通学路、飲食店、書店、文房具店など、日常的に利用する場所をチェックしておくと、入学後のイメージがわきやすくなります。

複数のオープンキャンパスに参加して比較することで、自分に最も合った大学が見えてくるはずです。